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HOKKAIDO PHOTO FESTA(以下HPF)では2023年は2つの連続講座を開催いたします。 2018年に第一回HPFを開催して以降、フェスティバルだけでなく継続的に作品制作のための学びとコミュニケーションの場を提供するためのイベントを実施してきました。 今年度は3期目となるタカザワゼミに加え、現代写真研究家の北桂樹氏を迎えた現代写真アート講座を開催します。 タカザワゼミは写真作家を目指す方や写真作品をまとめたい方、現代写真アート講座は“写真家”ではなく“アーティスト”を目指し、“写真”というメディアについて考えたい方におすすめです。 HPFは居住地に縛られることなく情報や機会を得られるプラットフォームを作ることを目指しており、どちらの講座ともオンラインでご参加いただけます。(タカザワゼミは対面/オンラインの選択制) 各講座の詳細についてはそれぞれの募集要項をご確認ください。 写真を使って制作活動をする方、写真表現に興味のある方にとって次のステップにつながるきっかけになることを願っています。

 

申し込み開始日:4月8日(土)10:00より

北海道フォトフェスタホームページにてGoogleフォームURLを公開いたします。


下記PDFの要項を必ずお読みの上、お申し込みください。










HPF2022 ポートフォリオレビュー

 

中西敏貴


今から15年ほど前のこと。僕はまだ大阪にいて、仕事をしながら写真を撮っていました。 ある時、知人からの誘いで東川町で開催されていたポートフォリオレビューに参加すること にしたのですが、レビューに参加するのは初めて。どのようにプレゼンしたらよいのか、そ もそもどんな写真を持っていけばいいのかと格闘し、当日を迎えました。結果は惨敗。「こ の写真は三脚を立てれば誰でも撮れますよね。ただ美しいだけで何も伝わってこない。」と いう趣旨のコメントだけが、記憶に残るレビューとなりました。


その数年後、北海道に移住し、プロとしての活動をスタートさせることになりました。大阪 生まれの僕が抱いていた北海道のイメージは、おおらかで美しい自然でしたから、移住後は そういった写真に邁進し、それが幸いにも仕事に直結するようになっていきました。一方 で、少しずつ心情の変化も起こり始めます。北海道の自然や風景を知るうち、土地の成り立 ちについても興味が拡張していくようになったのです。



10数年前の東川での苦い経験以降、自然をモチーフとした写真でどのように道を切り開い ていけば良いのかを模索していた僕にとって、その意識変化は新しいシリーズに取り組む きっかけとなっていきました。コロナ禍で仕事が減ったことが、シリーズに集中できる余裕 に繋がったことは皮肉ですが、ウクライナへロシアが侵攻したことは、シリーズのコンセプ トにも大きな影響を及ぼしました。


それら一連の作品を、どのように世に送り出していけば良いのかについて考えていた頃、 HPF2022のポートフォリオレビューがリアルで開催されることを知りました。あの時の苦 い経験をもうしたくない。けれど、この作品をどうにかして世に出したい。その葛藤を繰り 返し、最後は決意を持って望むことにしました。



レビュアーの方々は、僕がプロであるという事実とは関係なくレビューしてくださったように思います。この作品群がどのような意味を持ち、どこへ向かえばよいのかについて、的確 にアドバイスをいただくことができました。幸いにもグランプリをいただくことができましたが、作品に足りない部分を指摘いただけたことがなによりもありがたく、このレビューを 通して道が開けたように思います。今回の受賞はスタートラインに過ぎません。グランプリ の名に恥じぬよういい作品を完成させ、しっかりと世に送り出したいと、思いを新たにしま した。

感想を書くのは難しいですが、このゼミは長期的に効く「何か」が重要だと感じています。その「何か」を考える補助線がレクチャーでレビューは対話かな、と。


私はこのゼミが2度目の参加で合計10回のレビューに6年分の写真を出しました。今年4回目で小さなアルバムを出すと「次はタイトルと言葉をそえて」と提案があり、そこから2週間半、テーマの言語化に取り組みました。キーワードが見つかると一気に言葉がまとまり、そのイメージと写真を突き合わせたダミーブックで最後のレビューを受けました。この経験でテーマ作りからイメージ、写真とまとめる流れのひな形ができた気がします。


今年のゼミで、前回の「何か」が、感情に従いシャッターを切り自分の写真を選ぶことだったとわかりました。そして今「写真は深くて面白い」と純粋な気持ちになっています。どちらもゼミのおかげです。オンライン参加の枠を設けて下さったことにも心から感謝しています。





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