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HPF体験記① 石井陽子

【 HPF参加者レポート① 石井 陽子 】

写真で繋がる、写真を学ぶ、チャンスをつかむコミュニティ、「Hokkaido Photo Festa」

コロナ禍を乗り越えて、2022年10月24日(月)から10月30日(日)に第4回HPFが札幌で開催されます。これまでのHPFを参加者目線でレポートします。





実は、私はかなりのフォトフェス好きじゃないかと思っています。2014年にフィラデルフィア(米)でオンワード・フォトフェスティバルに参加したのを皮切りに、オブスキュラ(マレーシア)、アンコール(カンボジア)、レビュー・サンタフェ(米)、オークランド(ニュージーランド)、アルル(フランス)など海外のフォトフェスティバルや、六甲山国際写真祭、T3フォトフェスティバル、KYOTOGRAPHIE、屋久島国際写真祭、塩竃フォトフェスティバルなど国内の写真祭に参加してきました。それぞれに思い入れも想い出もあって、一言では語れないけれど、ここでは、フォトフェスに共通する楽しさと、この写真祭ならではの特徴という二つの点から、HPFの魅力についてごく個人的にまとめてみます。


ー 写真祭はコミュニティ ー

フォトフェスティバルの楽しみは、なんといってもコミュニティであること。各地から集まった写真仲間やレビューワーなどの写真のプロの方々と出会い、同じ空間で作品を前にして語り合う。これが写真祭の魅力だと思います。

Hokkaido Photo Festaでも全道からやってきた写真作家と出会い、全国各地の写真仲間と再会を果たして、お互いの作品を紹介し合いました。夜は、仲良くなった作家同志で飲みに行って、写真について熱く語り合ったのはとてもいい思い出です。

HPFが写真で繋がるコミュニティとして優れているのは、いい意味でこじんまりしていること。会場やアフターパーティなどで、お互いに挨拶したり、知人友人を紹介し合ったりするうちに自然と写真仲間の輪が広がりました。


ー ポートフォリオレビューで作品を見せる ー

写真祭でいろんな展示を鑑賞するのも楽しいのですが、作家としての関わりを持つとさらに充実した時間を過ごせます。その一つの方法が、ポートフォリオレビュー。

Hokkaido Photo Festaのポートフォリオレビューは、レビューワー陣が充実しているのが魅力です。東京都写真美術館学芸員の関次和子さん、写真家・入江泰吉記念奈良市写真美術館アドバイザーの百々俊二さん、同館館長の大西洋さん、写真評論家のタカザワケンジさんなど、国内外で活躍する写真家の方々に作品を見ていただけます。特にすごいのは、日本における公的な写真美術館2館からレビューワーがいらしていること。関次和子さんがレビューワーを務めていらっしゃるのはPhoto One Taipei 2019とHPFだけなので、貴重です!

ポートフォリオレビューは、今制作中の作品を見せてアドバイスをいただく機会でもあり、自分の作品を知っていただいて新たなチャンスにつなげる場にもなります。私は、第1回と第2回のポートフォリオレビューのファイナリストに選出されました。グランプリには至らなかったのですが、今年、入江泰吉記念奈良市写真美術館の新鋭展で展示する機会に恵まれたのも、HPFで百々さんに作品を見ていただいたおかげです。


ー 写真家が作る・育むフォトフェスタ ー

Hokkaido Photo Festaを私が好きな最大の理由、それは、自らも写真作家である大橋英児さんが代表を務め、第2回のグランプリ受賞作家である桑迫伽奈さんが中心となって運営をしていることです。

昨今、写真雑誌の休刊や写真賞の終了など、写真界では残念なニュースが続きました。そんな中、作品発表の場や写真家が集う機会を作家自らが作っていくというのは、とても大切なことだと思います。大橋さん、桑迫さんの志に共感して、タカザワケンジさんがHPFのアドバイザーを務め、名古屋のPHOTOGALLERY FLOW NAGOYAディレクターである中澤賢さんと、写真作家の鈴木 瑛大さんが運営に携わっています。私も今年から少しお手伝いをさせていただいています。写真祭の準備はこれからが本番。ボランティアメンバーとしてHPFに主体的にかかわることで、フォトフェスタをより深く楽しむチャンスです。興味のある方は是非、ご連絡くださいね。


ー コロナ禍を乗り越えて、HPFは新たなステージへ ー

コロナ禍により2020年はHPFも中止を余儀なくされましたが、昨年はオンラインを中心に開催。私も「北を見つめる作家たち」という企画で、北海道在住や北海道で撮影している写真家の一人としてお話しさせていただきました。モデレーターの桑迫さんによる巧みな進行にのって話しながら、改めて、北海道って素敵な場所だなと再認識しました。地方作家による対談イベント「ここも世界の中心」と合わせて、アーカイブがHPFのYouTubeチャンネル に上がっているので、是非、ご視聴ください。

2021年のオンラインを中心とした開催を経て、HPFの経験値が上がりました。その一つの象徴が、札幌でのクラスルームとオンラインで開催されているHPFのタカザワゼミです。タカザワケンジさんが、現代の写真表現を理解するためのレクチャーを90分行った後、受講者の写真作品を講評するというゼミナールですが、ハイブリッドで実施されているおかげで、日本全国から参加可能です。募集開始から1日足らずで講評を受けられるゼミ生は満席になりましたが、聴講生は引き続き募集中。これまでのレクチャーもアーカイブで視聴できるので、気になる方は募集要項をチェックしてみてください。

※2022年のタカザワゼミは終了しました。ありがとうございました。


HPF2022も、ポートフォリオレビューやレクチャーなどがハイブリッド開催になるそう。札幌に行くのはちょっと、という方も、オンラインで参加できます。10月最終週はHokkaido Photo Festa! 予定を開けておいてくださいね!



Hokkaido Photo Festaサポーター

鹿写真家 石井 陽子

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