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HOKKAIDO PHOTO FESTAのポートフォリオレビュー・ファイナリストの写真作家2人と、屋久島国際写真祭 から推薦を受けた作家1名からなる写真展。10月24日(月)から30日(日)までモエレ沼公園ガラスのピラミッド スペース2にて展示します。








石井陽子 レンズ越しに見える世界に魅せられて、国内外を旅して動物を撮影している。2011年3月より、奈良、宮島などで人の街に棲み、人間たちの決めた境界線を軽やかに越えて街を闊歩している鹿たちを捉えたシリーズを開始。2015年12月リトルモアより写真集「しかしか」刊行。




岩波友紀 2001年から活動をはじめ、アジア、中東、バルカン半島などの写真を撮る。2003年から日本の全国紙のスタッフフォトグラファーとして、東京、仙台、大阪、福島を拠点に国内外のニュースやストーリーを撮影。2015年からフリー。福島県に在住し、東日本大震災と福島第一原発事故の取材を続ける。震災後のみちのくで民俗芸能により故郷とのつながりを紡ぐ人々を描く。




佐藤静香 2016年、屋久島国際写真祭に参加したことをきっかけに、東京での暮らし方に疑問を持ち、写真祭で出会ったフランス人の紹介で渡仏。フランスで1年間を過ごす中で、田舎の良さを見つめなおす。帰国したタイミングで募集のあった天草市の地域おこし協力隊に応募し、2019年から現職。天草の人、暮らし、風景を発信している。ポートレートの核ともいえる人物の顔を隠し撮影をする。

いずれの作家も現代においてどのような写真作品が可能か?という問いに取り組んでいます。被写体、撮影方法、プリント、展示方法、すべてに作家の意図がある「作家」の展覧会です。写真を「読む」楽しみをごゆっくりお楽しみください。






作家:石井陽子・岩波友紀・佐藤静香(屋久島国際写真祭招待作家) 会場:モエレ沼公園ガラスのピラミッド スペース2 札幌市東区モエレ沼公園1-1 会期:2022/10/24(月)~30(日) 10:00~17:00

HPF2022開催に先駆けて行われた、写真評論家のタカザワケンジ先生のゼミを受講した感想を書いていこうと思う。


まず始めに、私は今回初めてタカザワゼミを受講した。2019・2021年のポートフォリオレビューで作品は見てもらっていたが、ゼミを受けたことがなかった。

(2020年のHPFの時にゼミに申し込んだが、コロナでHPF自体が無くなってしまった。)


地方在住の私からしたら、本や画面の中にいる写真評論家がわざわざ北海道に来てゼミを開くなんてとても貴重な機会じゃないか!と思いすぐに申し込んだ。ちょうど今年は初の東京での個展と出版があり、一度しっかりと写真を見てくれる人に見てもらう必要があると感じていたので絶好のタイミングだった。




ゼミは前半が写真史のレクチャー、後半がレビューの2部構成となっている。

前半の写真史は現代写真を中心に、ダゲレオタイプから現代アートとして扱われる写真まで幅広い内容で構成されており、タカザワゼミを受講するだけで写真史・写真集史の基礎知識はバッチリである。


個人的にダゲレオタイプ辺りの写真史が疎かったのでその辺りを学べたのが大きかった。

レクチャーの際にタカザワ先生の写真データベースを見ながら受講できる。

過去の名作を見ながら学べる環境があるのは知識としても入りやすいので学ぶ側としてもありがたいなと感じた。(牛腸茂雄の見慣れた街の中でを見れたのがとても嬉しかった。)


後半のレビューは受講者の作品を持ち込み、机の上に並べた写真をタカザワ先生が見て行くといった流れで行われる。初回は並べた写真を前に作家の考えや言葉を基に、写真を抜いたり配置を変えたりする。残った写真をベースに次回は新作を持って行き、対話を繰り返すことで作品をブラッシュアップする。

対話するということは考えないないとできないので必然的に自分と自分の作品について向き合ういい機会にもなる。


回ごとに異なるシリーズを持ち込み、いい評価をもらった作品をベースにして作って行くやり方もあるが、個人的には一つのシリーズを持ち込むのがいいと感じた。ある程度ベースを残しておいて次の作品を持って行く方が作品の変化や作家自身の考え、視点の変化なども見えてくる。タイトルや文章も見てもらえるので持っていくことを勧める。


私はゼミを受講する直前はスナップ、都市、植物、日常などの写真を撮っていた。

初回はタカザワ先生に私の写真の暴力性を心配されたが、回が重なるにつれて写真の内容が変化していった。徐々に植物と日常写真、セルフポートレートが増えていき、私写真に寄っていった。

元々、作家の私性や他者との関係性が気になっていたが自分では形にできていない段階だった。しかし、写真を通してタカザワ先生やゼミ生と対話することで何本かある軸が削ぎ落とされ、潜在意識のようなものが形になっていったと思う。


5回のゼミを終えて作品がまとまったとは言えないが、今まで自分の中にあった土台が強固になった。アカデミックな場で作品を見てもらうことは今後の作品制作にプラスに働くことは間違いない。私のように作品制作で迷っている人やこれから作品を作りたい人はタカザワゼミを受講してみてはどうだろうか。


辻悠斗





これから受講を考えている方へ


タカザワゼミは10時半から始まる。午前中はタカザワ先生のレクチャーが行われる。作品がどのようにして評価されるのか、写真史、世界の写真集の解説、写真展という空間をどうデザインするのか、写真とは何か、といった写真活動をしていくうえでの知識や考えを教えてくれる。


お昼休憩をはさみ午後はいよいよ12人のゼミ生のレビューが行われる。レビューは1人15分。プリント枚数は皆さん10枚から50枚くらいだったと思う。ゼミ生はもうテーマが明確にあり作品にまとめて見てもらう方もいれば、これからテーマを見つけていくために自分の撮りためた写真を見てもらう方もいる。

作品をまとめている方はなぜこのテーマで撮ったのかを伝え、タカザワ先生にアドバイスをもらう。また、自分のテーマの参考になる写真家を教えてもらったりもする。レビュー中は写真に関しての質問をしたりアドバイスを聞く大チャンスなのだ。





私は毎回20枚前後で提出していた。テーマがまだ定まっていなかったが、レビューを受けるうちに写真の共通点が見つかった。何を撮りたいのか定まっていない自分の作品にも無意識的に気になっているものやイメージがあることを知った。


レビューはとても白熱するし、作品が並べられる机をゼミ生が立って囲む形で行われるため後半はゼミ生にすこし疲れが見える。ただタカザワ先生は最後まで楽しそうに作品を観てくれていた。後で聞いた話だが、どんな人の作品もどうして撮ったのか想像して観ることが本当に楽しいとおっしゃっていた。


今回初めてゼミを受講してみて今後レビューを受ける際には絶対に気を付けようと思ったことが1つある。私はレビューで何を話せばよいのかわからずレビュー時間を余らせてしまうことが多々あった。それは本当にもったいないことで、せっかくプロの写真評論家に(しかも興味を持って)自分の作品を観てもらっているのだから、事前に気になることを整理して時間を有効に活用するべきだと反省した。次のゼミでは絶対に質問内容を沢山考えて受講すると心に決めている。


16時半ごろにレビューが終わりゼミも終了する。


ゼミ生はほとんどが知らない方だったため、私は初めとても緊張していた。ゼミでお話しするうちに親しくなり、よい方々ばかりで写真に対しての強い思いがそれぞれあった。ゼミの最終回には作品の感想を言い合ったり、展示のノウハウを教えてもらったりした。


学生最後に個展をやりたい。とふわっとしたことを友人に話したことをきっかけにタカザワゼミを受講し様々なご縁ができた。何を撮りたいのか迷っていた時期であったが、ゼミを受講したことで作品のテーマを明確にし、写真に対して向き合っている方々と話すこともでき、とても充実した時間を過ごせた。


写真をこれからも続けていきたいと考える方は是非次回のタカザワゼミの受講をご検討ください。


岡崎はるな



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